- S&P500に投資したいが日本株ETFと米国株ETFどちらが良いか分からない
- アメリカの成長と共に自分の資産をより大きく増やしていきたい
という方向けの記事となっております。
S&P500はアメリカを代表する株式指数の一つです。
アメリカでは他の株式指数としてダウ、ナスダック投資指数などがあります。
S&P500は投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が妻にすすめたことで話題になりました。
S&P500に連動するETF(上場投資信託)も増えており、2020年4月9日現在で日本で上場しているもので5つアメリカで上場しているもので3つあります。
この記事では、日本とアメリカ両方で上場している「SPDRS&P500 ETF」を元にS&P500に投資する場合、日本とアメリカどちらで投資するのが良いのかを検証してみたいと思います。
まずは、「まとめ」からです。
S&P500を買うなら日本株ETF?米国株ETF?【SPYで検証してみた。】
- 米国株ETFで投資する方が最終的なパフォーマンスは良くなる
SPDRS&P500 ETFの過去の株価を元に導いた結果はこのようになりました。
他の銘柄でも同じような傾向があるかは検証してみないと分かりませんが、そういったものへ投資したいと思った時の参考にしていただければと思います。
SPDRS&P500 ETFとは
まずはSPDRS&P500 ETFについての説明です。
S&P500ってなんだろう?という方もいらっしゃるかと思いますのでかんたんに紹介しておきます。
- S&P500への連動を目指すETF(上場投資信託)
- 組入銘柄数は505銘柄(2020年4月7日現在)
- 3月、6月、9月、12月に配当金が支払われる
- 経費率は1年あたり0.0945%
- 日本での銘柄コードは【1557】
日本での設定日は2011年3月24日
- アメリカでの銘柄コードは【SPY】
アメリカでの設定日は1993年1月22日
銘柄名 | Ticker | 保有比率 | 業種 |
マイクロソフト | MSFT | 5.658443 | 情報技術 |
アップル | AAPL | 4.915864 | 情報技術 |
アマゾン ドットコム | AMZN | 3.801310 | 一般消費財・サービス |
フェイスブック | FB | 1.843188 | コミュニケーション・サービス |
バークシャー・ハサウェイ | BRK.B | 1.643905 | 金融 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | JNJ | 1.641499 | ヘルスケア |
Google(議決権なし) | GOOG | 1.608873 | コミュニケーション・サービス |
Google(議決権あり) | GOOGL | 1.607471 | コミュニケーション・サービス |
ビザ | V | 1.309880 | 情報技術 |
JPモルガン チェース | JPM | 1.290302 | 金融 |
2020年4月7日現在時点の組入上位10銘柄は上記の表のようになります。
恐らく日本でも聞けば大体の人が分かるのではないかという有名な銘柄ばかりが並んでいますね。
S&P500は「米国の取引所の米国企業で、流動性がある大型株から選ばれた500銘柄」です。
IT系の企業を主に組み入れる訳ではありませんが、SPDRS&P500 ETFの組入上位10銘柄はIT系の企業が多そうです。
因みに、バークシャー・ハサウェイは投資を主にやっていない人は聞くことがない会社かもしれませんがウォーレン・バフェットが会長兼CEOを務める投資会社です。
2020年4月7日現在時点の業種別構成比率は上記の表のようになります。
上位10銘柄では少なかった、ヘルスケアや一般消費財・サービス、資本財・サービス等が意外と大きいウェイトを占めていそうです。
また、情報技術、金融、ヘルスケアの3つのセクターでほぼ50%を占めています。
S&P500に連動するETFを買って個別銘柄も買いたい場合、生活必需品等の分野を狙ってみると面白いかもしれません。
割合的に少なそうですが、生活必需品自体は人が生活を行う上でなくてはならないもので不況の影響など受けにくいでしょうから。
株価の推移
続いて、株価の推移についてです。
ここでは、日本株ETFの株価、米国株ETFの株価、米国株ETFの株価を円換算したものを用意しました。
期間は日本株ETF【1557】が上場した以降の2011年3月24日から2020年4月3日までです。
すべて、2011年3月24日の株価を100としてそれ以降の動きを表すようにしてあります。
日付 | 銘柄(1557) | SPY | SPY(円換算) | ドル円 |
2011/3/24 | 100 | 100 | 100 | 80.82 |
2020/4/3 | 256.5176023 | 227.4659751 | 303.9662527 | 108.001 |
これをみると、米国株ETFの株価を円換算したもの、日本株ETFの株価、米国株ETFの株価の順にパフォーマンスがよくなっています。
SPYは2011年3月24日を100とすると、2020年4月3日は227にしかなっていません。
しかし、ドル円が円安になっている為円換算のパフォーマンスは良くなっています。
2011年3月24日は80円82銭から2020年4月3日は108円の為、1.33倍になったということですね。
そのため、この結果をみると為替レートの変動で円換算後の米国株ETFの方がパフォーマンスが良くなっているような感じもします。
株価の推移(ドル高値から)
続いて、2011年3月24日以降でドル円が最高値125円58銭となった2015年6月5日以降の株価の推移についてです。
これは、2011年3月24日開始では、為替相場が米国ETFのパフォーマンスを良くしたのでは?という疑問を確認するものです。
日付 | 銘柄(1557) | SPY | SPY(円換算) | ドル円 |
2015/6/5 | 100 | 100 | 100 | 125.58 |
2020/4/3 | 102.8222731 | 130.7470693 | 112.4447691 | 108.000999 |
これをみると、米国株ETF、米国株ETFの株価を円換算したもの、日本株ETFの株価の順にパフォーマンスがよくなっています。
SPDRS&P500 ETFが上場した以降で最も円安となったタイミングから開始したため、米国株ETFと米国株ETFの株価を円換算したものの順位が逆転しました。
ただ、米国株ETFの株価を円換算したものと日本株ETFを比較した際には、米国株ETFの株価を円換算したものの方がパフォーマンスは良さそうです。
SPDRS&P500 ETF設定以降で確認すると、米国株ETFの株価を円換算したものは日本株ETFの118%の値段となっています。
また、ドル円が円安になった以降で確認しても、米国株ETFの株価を円換算したものは日本株ETFの109%の値段となっています。
この結果から、私はS&P500に投資する場合日本株ETFと米国株ETFでは米国株ETFに投資するべきであると考えます。
ETFとは、上場投資信託であり投資信託であることには変わりないため、恐らく日本の投資信託と米国の投資信託を比べても同じ結果になるのではないかと思われます。
積立投資
続いて、積立て投資した場合の利益率の推移についてです。
ここでは、日本株ETFを積立投資した場合、米国株ETFを積立投資した場合、米国株ETFを積立投資した場合(手数料を1%と仮定)の3つのパターンを検証しました。
米国株ETFを積立投資する場合に1%手数料を入れて見たのは、ETFを買う費用以外に為替手数料がかかるためその手数料を仮に購入資金の1%としました。
期間は日本株ETF【1557】が上場した以降の2011年3月24日から2020年4月3日までです。
日付 | 利益率(1557) | 利益率(SPY) | 利益率(SPY・手数料1%と仮定) |
2020/4/7 | 51.61% | 70.10% | 68.44% |
結果ですが、積立投資をした場合も日本株ETFに投資した場合よりも米国株ETFに投資した方がパフォーマンスは良くなるという結果になりました。
積立投資(ドル高値から)
続いて、2011年3月24日以降でドル円が最高値125円58銭となった2015年6月5日以降に積立て投資した場合の利益率の推移についてです。
先程と同じように、日本株ETFを積立投資した場合、米国株ETFを積立投資した場合、米国株ETFを積立投資した場合(手数料を1%と仮定)の3つのパターンを検証しました。
これは、円安局面から積み上げた場合も米国株ETFの方がパフォーマンスが良くなるかを確認したものです。
日付 | 利益率(1557) | 利益率(SPY) | 利益率(SPY・手数料1%と仮定) |
2020/4/7 | 5.37% | 10.90% | 9.81% |
結果ですが、この場合も日本株ETFに投資した場合よりも米国株ETFに投資した方がパフォーマンスは良くなるという結果になりました。
これらの結果から、今ある財産を一度に投資する場合、積立投資を行う場合いづれにおいても日本株ETFよりは米国株ETFを購入する方が良いと判断出来ます。
ただ、つみたてNISAで投資対象が決められている場合は税金を20%と仮定して計算するとそこまでパフォーマンスが変わりそうにないです。
そのため、つみたてNISAを行う場合、日本の投資信託を購入しても良いと思われます。
ただ、それ以外は少なくともS&P500については日本株ETFや日本の投資信託を選ぶ理由はない感じがします。