- インデックス投資と高配当株投資どちらを選ぶのが良いの?
という方向けの記事となっております。
インデックス投資と高配当株投資どちらが良いかはよく議論されていますね。
投資初心者には簡単に出来るインデックス投資が良い、配当金は税金がかかる為リターンの面で不利という考えもあるように思います。
確かにその考え方は理解出来ます。
ただ、私自身は日々のお小遣いを貰いながら投資も楽しむことが出来るため、高配当株投資の方が好きです。
そこでこの記事では、【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】と【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】を比較対象としてインデックス投資と高配当株投資を比較しパフォーマンスにどの位の差が出るのかを検証してみたいと思います。
銘柄比較
まずは【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】と【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】の銘柄比較についてです。
インデックス投資の比較対象はS&P500では運用期間が長いものが他にもありそちらの方が良いかな?と言う気もしました。
ただ、会社によって運用方法も若干の差異はあるかと思いましたのであえて同じ会社が運用しているもので比較しています。
2020年3月31日時点の銘柄の情報は上記のようになります。
投資対象が異なるのは、明らかであるためそれ以外でパフォーマンスに影響を及ぼしそうな部分を抜き出しています。
経費率は【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】が0.03%に対して、【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】は0.06%と倍かかっています。
配当金が支払われる時期は「3月、6月、9月、12月に配当が行われる」という点で同じです。
又、リバランスのタイミングは【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】が年4回に対して、【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】は年1回となっています。
2020年3月31日時点の保有銘柄の割合は上記のようになります。
【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】は508銘柄保有しており、181銘柄は【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】とかぶっています。
また、【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】のみ保有している銘柄は394銘柄中213銘柄となっています。
構成比率を見てみると、【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】のみ保有している銘柄の構成割合は64.2%です。
また、【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】のみ保有している銘柄の構成割合は5.41%です。
ここまで調べた段階で、【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】から予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を抜き出したものが【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】と言っても良いのではないかと言う感じもしました。
【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】は(時価総額ベースでは)ほぼS&P500の銘柄で構成されているということは覚えておくと良いかもしれません。
また、保有銘柄を確認していくと、【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】はIT銘柄や通信銘柄の保有割合が高いです。
一方、【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】は金融や消費財の保有割合が高くなっていました。
株価の推移
続いて、【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】の株価、【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】の株価の推移についてです。
期間は【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】が上場した以降の2010年9月9日から2020年4月24日までです。
2010年9月9日の株価を100としてそれ以降の動きを表すようにしてあります。
また、配当金は2割が税金と仮定して8割の金額を株価に加算するようにしてあります。
日付 | 株価(VYM) | 株価(S&P500) |
2010/9/9 | 100 | 100 |
2016/9/1 | 259.1492892 | 236.8033149 |
2020/4/24 | 325.7161046 | 344.2170925 |
これをみると、2020年4月24日の株価は【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】が325に対して【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】の株価は344となっています。
インデックス投資と高配当株投資の比較では配当金も計算に入れるべきかなと入れたものの、それでもインデックス投資の方がパフォーマンスは良さそうですね。
ただ、2019年のS&P500が暴騰した年はインデックス投資の方がパフォーマンスは良さそうですが、それまでは高配当株投資の方がパフォーマンスが良さそうです。
実際、2016年9月1日の株価は【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】が259に対して【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】の株価は236となっています。
積立投資
続いて、【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】が上場した2010年9月9日に積立投資を開始した場合の利益率の推移についてです。
グラフは、【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】を積立投資した場合の損益率と【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】を積立投資した場合の損益率を示しています。
これについても、配当金は2割が税金と仮定して8割の金額を損益率に加算するようにしてあります。
日付 | 利益率(VYM) | 利益率(VOO) |
2016/9/1 | 58.02% | 48.67% |
2020/4/24 | 63.39% | 74.96% |
これをみると、2020年4月24日の損益は【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】が63.39%に対して【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】は74.96%となっています。
積立投資をした場合も株価に配当金を加算した金額を比較したものと同じように途中で損益が逆転していますね。
ただ、積立投資の方がインデックス投資と高配当株投資で損益が逆転するタイミングが半年ぐらい早くなっています。
ちなみに、2016年9月1日の利益率は【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】が58.02%に対して【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】の利益率は48.67%となっています。
積立投資(再投資)
続いて、【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】が上場した2010年9月9日に積立投資を開始した場合で配当金を再投資した場合の資産の推移についてです。
グラフは、【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】を積立投資(再投資)した場合の資産の推移と【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】を積立投資(再投資)した場合の資産の推移を示しています。
また、これも配当金は2割が税金と仮定して8割の金額を再投資するようにしてあります。
評価残高(VYM) | 評価残高(VOO) | |
2016/9/1 | 57442.08321 | 53154.46046 |
2020/4/24 | 96370.54195 | 101877.0732 |
投資金額は1ヶ月に500ドルずつ積立てたと仮定しているので2020年4月24日時点の投入金額は57,500ドルです。
2020年4月24日の資産は【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】が96,370ドルに対して【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】は101,877ドルとなっています。
また、2016年9月1日の資産は【バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)】が57,442ドルに対して【バンガード S&P 500 ETF(VOO)】の資産は53,154ドルとなっています。
最後に、「まとめ」です。
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- インデックス投資、高配当株投資で自分が好きな方をやるのが正解
資金の投入方法を変えながらいくつか検証してみましたが、株価だけの検証ではどちらが良いと言う感じはなかったです。
理由はおそらく、配当率が高くなる銘柄は既にある程度成長している銘柄で、利益を投資にまわしたりするよりも利益を株主に分配する方が企業価値が高まる。
逆に、配当率が低い銘柄はまだ成長する余地が大きく残されており、利益を株主に分配するよりも投資にまわす方が企業価値が高まるということではないかと思います。