資産運用

【S&P500】20年積み立て損をする確率は?94年のデータを元に検証!

20年コツコツS&P500を積み立てた後に損をしていたらと考えると恐ろしいですね。

実際に20年間積みたてた時に損をしている可能性はどのぐらいあるのでしょうか?

この記事では、1928年1月からのS&P500のデータを利用して20年積み立てた時の最終損益を検証し損をする可能性がどのぐらいあるかを確認していきたいと思います。

現在S&P500の積み立て投資を行っているが将来的に利益となってくれるか不安に思っている、今からS&P500を積み立て投資していこうと考えているが損しないか不安だという方の参考になれば幸いです。

検証方法

まずは、検証方法です。
対象資産はS&P500の指数そのものです。
注意点として指数には信託報酬等存在しないため、実際のリターンはこれよりも少なくなる可能性があります。

投資期間は20年間としています。
現在41歳の人が60歳になるぐらいのイメージです。
私の動画の視聴者さんがこのぐらいの年齢層が多そうであったためそのぐらいの感じが良いかなと思い20年にしました。

投資元本は1ヶ月に1万円で240ヶ月積み立てを行い合計240万円としています。

投資期間は1928年1月から1947年12月を最初の期間とし、1ヶ月ずつずらしながら全890パターンを検証しました。

投資期間でつみたてNISAを利用していた時のイメージです。
イメージは金融庁のホームページからとってきました。
イメージでは1年40万となっていますが、今回の検証では1年に投資した金額は12万円と想定して検証しています。
1年目に投資したものは20年目となっています。
ただ、20年目に投資したものはまだ1年も経って居ない状態であり投資の恩恵は殆ど受けられていない状態です。

94年チャート

続いてS&P500の94年間のチャートです。
この間、1927年12月30日の17.66ドルから2022年1月31日の4515.55ドルまで上昇しています。
1981年1月2日が135.75ドルなので54年で7.6倍位になってその後40年で33倍位になっています。
ただ、1929年からの世界恐慌で1932年6月27日には4.44ドル位まで下がっているので上昇率は今も昔もあまり変わらない感じもします。
また、グラフでは昔の株価は小さすぎて暴落していてもわかりにくい感じになっています。
積み立てた場合に損失になりそうなのは赤丸当たりで積み立ての終わりがくるとそれまで高値で積み立てていた事になり損失になりそうな感じがあります。

損益分布

続いて、損益分布です。

50%から100%、100%から150%、150%から200%を足してみると、24.04%足す16.63%足す21.01%となり61.69%となります。
つまり61.69%の確率で50%から200%の損益となるということですね。
月々1万円積み立てていた場合300万円から480万円の間に6割以上の確率でなるという感じです。

これに0%から50%と200%から250%も足すと、61.69%に17.87%と12.70%も足すことになり合計92.25%となります。
つまり92.25%の確率で0%から250%の損益となることになります。
月々1万円積み立てていた場合240万円から540万円の間に9割以上の確率でなるという感じです。

肝心の損益率が0%以下になり損をする可能性ですが0.22%でこのグラフでは殆ど分からない位小さなものとなっています。

続いて890パターンで最小となったリターンなどを金額ベースで確認してみたいと思います。
投入資金は1万円を240ヶ月積み立てているため240万円となっています。
最終資産の最小値は225.07万円でした。
平均値は567.40万円でした。
中央値は543.01万円でした。
最大値は1332.06万円でした。
平均値が567.40万円で中央値が543.01万円となっているため、大体1万円を20年積み立てると550万円位になる可能性が高いと思っておくと良い感じがします。
初期投資金額240万円が550万円になると考えると期待値は大体230%ぐらいです。
私はこんな利益率の良い掛けがあったら何百回と繰り返してやりたいと考えてしまいます。
実際はポーカーや競馬などと違い長い年月を必要とするものであるため出来ても3回60年ぐらいしか不可能でしょうが。
若い方はこういった事も繰り返し出来る可能性があると考えるとうらやましくなりますね。

損益分布(詳細)

先ほどのグラフを一覧表にしてみました。

グラフでは分かりにいぐらい小さくなっていた損益がマイナスとなったパターンは890回中2回で割合としては0.22%となっています。
11個の区分のなかで一番少ない回数が2回ですし、0.22%と考えるとほぼ無視して良い感じもします。

先ほどのグラフではふれなかった250%から500%となったケースを確認してみると、全体からみた割合は少ないがマイナスとなったケースからみると十分に大きな割合となっていそうです。
450%から500%となった回数が2回とマイナスとなった回数と同じとなっていますが期待値が10倍位違います。
そのためこの2つのパターンしか出ない賭け事があっても繰り返していけば大きなリターンを生むことが出来るのではないかと予想出来ます。
また、他のパターンは少ないもので14回多いもので21回なのでマイナスとなる可能性よりもこのあたりのリターンとなる確率は7倍から10倍位多くなるのではないかと予想出来ます。

損をしたパターン

ここから実際に過去に損をしていたパターンがどのような感じであったかを見ていきます。
まずは、1954年10月に積み立てを開始したパターンです。

青い線が終値の推移となっており左の軸に示された値で推移しています。
このかん、1954年10月には31.68ドルであったものが1974年9月には63.54ドルまで上昇しています。

オレンジの線が購入金額を示しており1ヶ月に1万円ずつ増えていっています。
灰色の線は評価金額となっています。
これらは、右の軸に示されたあたいで推移しています。

このパターンで気になるのは赤丸で示した当たりは株価の上昇とともに評価金額も大きく上昇しており大きな利益が出ていたが最後に暴落が起きそれにつられて最終的には損失となっているところです。
20年でみると株価は31.68ドルから63.54ドルまで2倍位に上昇していますが、詳しく見ていくと1972年12月に118.05ドルまで上昇したあと、半分ぐらいまで下落もしているようです。
途中株価が上昇する中で高値で積み立てたものが損失の原因となったような感じですね。
1972年12月時点の積み立て金額が219万円に対し評価額が392.09万円であるため株価最高値では79%の利益があったようです。
それが、最終的にはそこから21万円の追加投資を行ったが、評価額が225.07万円まで減り評価額で考えると170万円位損をした感じです。

なぜ最後の方が暴落しているか考えてみると第一次オイルショックがこの株価暴落のあたりにありました
トイレットペーパーがお店からなくなったりしたというのは有名なお話ですね。
経済が大混乱した有名な事件であるため仕方ないのかなという感じもします。

もう一つの損をしたケースは、1955年1月に積み立てを開始したパターンです。
先ほどのケースと3ヶ月しか違わないため同じような値動きや資産推移を示しています。

最終資産は239.68万円となっており20年積み立てて3200円損をする結果となったようです。

また、資産が最大となったのは先ほどと同じく1972年12月で積み立て金額216万円に対し、評価額は381.64万円になっていたようです。

2パターンとも途中では大きな利益となっていたのに最終的に損失になっているのは悔しいですね。
こういったパターンでもどうしても損をしたくないという方は積み立て投資を初めて15年とかある程度期間が経過した後はその後大きな下落があったら積み立ても投資もやめてしまうという方法もありかと思われます。
そのかわり、暴落の後上昇したりすると利益を取り逃す結果になり最終的なリターンの期待値は小さくなるかも知れませんが。
94年間のデータで積み立て検証を行った結果、最近のITバブルやリーマンショックなどでは損をしたという結果にはなっていませんしS&P500を20年積み立てれば損をすることは殆どないと思って良いのではないかと思います。
期間が短くなったり途中で積み立てをやめると損をする可能性は上がるでしょうが。
今回の検証では積み立て期間を20年としましたがこれをもっと長期にしたりすると損をするパターンは0になりそうですし。
あくまで過去の話でありこれから先がどうなっていくかは分かりませんが20年30年と投資を続けていく予定の方は安心して積み立てを行って良い感じがします。

冒頭の問題、S&P500を20年間積みたてた時に損をしている可能性は0.22%でした。

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