- インデックス投資はS&P500が良いと聞くがもっと良い商品はないの?
- GAFAMに投資したいが個別株は面倒くさいので投資信託を利用したい
という方向けの記事となっております。
今年の初めぐらいまで、S&P500に投資しておけば将来安泰と言うような風潮がありましたね。
ただ、ここ最近ではS&P500よりもパフォーマンスが良かった株価指数があります。
それが、ナスダック100指数です。
この記事では、ナスダック100指数に連動する投資信託であるQQQとS&P500に連動する投資信託であるSPYで過去のパフォーマンスを比較し実際どの位の成績の差があったのかを検証してみたいと思います。
QQQとは
まずはQQQについての説明です。
銘柄について知っておくことは、株価の推移を検証した際の動きの根拠を考える時に有益ですので、簡単に紹介しておきます。
- ナスダック100指数への連動をめざす米国株ETF(上場投資信託)
ナスダック100指数は、ナスダックに上場する金融銘柄を除く時価総額上位100銘柄の時価総額加重平均によって算出される株価指数です。
- 上場日は1999年3月10日
- 経費率は1年あたり0.20%
- 配当金は3月、6月、9月、12月に支払われる
- 銘柄の入れ替えは12月に行われる
銘柄名 | Ticker | 保有比率 |
マイクロソフト | MSFT | 11.97 |
アップル | AAPL | 11.29 |
アマゾン ドットコム | AMZN | 10.58 |
Google(議決権なし) | GOOG | 3.85 |
Google(議決権あり) | GOOGL | 3.83 |
フェイスブック | FB | 3.76 |
インテル | INTC | 2.99 |
Netflix | NFLX | 2.18 |
ペプシコ | PEP | 2.14 |
NVIDIA | NVDA | 2.04 |
2020年4月16日現在時点の組入上位10銘柄は上記の表のようになります。
10銘柄中9銘柄がネット関係やIT関連の銘柄であり、ペプシコが浮いている感じもあります。
ペプシコはペプシコーラーで知られる食品、飲料品メーカーです。
GAFAMが占める割合は45.28%となっておりこれらの株価がQQQの成績を牽引することになっていそうです。
また、GAFAMはSPY【S&P500の米国株ETF】でも組入上位10銘柄に含まれています。
2020年4月16日現在時点の業種別構成比率は上記の表のようになります。
組入上位10位から想像出来そうな感じの比率になっています。
情報技術、通信サービスだけで65%を占めているため、この2つのセクターがQQQの成績に大きな影響を及ぼしそうです。
組入上位10銘柄や業種別構成比率をみる限り、もうGAFAMにだけ投資しても良いのでは?と言う気もします。
あえてQQQに投資する意味としては、これらが大きくコケた時のリスクヘッジや他に有望な銘柄が出てきた時に勝手に拾ってくれるだろうと言う期待が出来るところですかね。
株価の推移
続いて、株価の推移についてです。
ここでは、QQQの株価、SPYの株価を用意しました。
期間はQQQが上場した以降の1999年3月10日から2020年4月8日までです。
1999年3月10日の株価を100としてそれ以降の動きを表すようにしてあります。
日付 | QQQ | SPY |
1999/3/10 | 100 | 100 |
2020/4/8 | 449.6994007 | 313.7176036 |
これをみると、2020年4月8日の株価はQQQが449に対してSPYは313となっています。
QQQに一括投資した場合の利益はSPYの135%にしかなっていません。
QQQはSPYの200%以上は稼げるという感じはしませんね。
ただ、細かく見ていくとQQQは2000年3月27日に230まで上昇した後、2002年10月9日には39まで下落しています。
この期間何が合ったかと言うとITバブルです。
2000年3月27日頃は、IT銘柄はPERが100倍を超えるものが当たり前のような株価がついていました。
しかし、その後のバブル崩壊でQQQの株価も17%程度まで下落してしまっています。
1989年の年末の日本もPERは80倍位となっておりその後下落した日本と同じような感じもあります。
決定的に違うのはバブルの最高値を超えられているかどうかと言うところです。
1999年以降であれば、ITバブル、リーマンショック、コロナショックと3回大きな暴落があります。
3回を比較してみて、ITバブル以外の暴落ではQQQとSPYを比べるとどうだったかを確認してみます。
株価の推移(ITバブル崩壊)
続いて、ITバブル崩壊の際のQQQとSPYの株価の推移についてです。
期間は、2000年3月1日から2002年10月31日までとしてあります。
他の暴落比較と比べると期間が長くなっていますがその間下げ続けたためそうしてあります。
日付 | QQQ | SPY |
2000/3/1 | 100 | 100 |
2002/10/31 | 22.81068132 | 66.15340241 |
2002年10月31日の株価はQQQが22に対してSPYは66となっています。
ITバブル崩壊直前も、QQQにはIT関連銘柄が高い構成割合で多く含まれていたため、QQQの方がバブル崩壊の影響をより受けています。
株価の推移(リーマンショック)
続いて、リーマンショックの際のQQQとSPYの株価の推移についてです。
期間は、2008年9月2日から2009年3月31日までとしてあります。
2008年3月9日に底をつけているので底をつけた日の月末までを比較しています。
日付 | QQQ | SPY |
2008/9/2 | 100 | 100 |
2009/3/31 | 66.8161108 | 63.4476515 |
2009年3月31日の株価はQQQが66に対してSPYは63となっています。
QQQには金融関連の銘柄が含まれていない為、金融ショックではQQQの方がパフォーマンスが良くなるかと思いましたがそんな事もないですね。
株価の推移(コロナショック)
続いて、コロナショックの際のQQQとSPYの株価の推移についてです。
期間は、2020年2月3日から2009年4月8日までとしてあります。
コロナショックに関しては、現在もまだ最中のようなきもしますので途中経過となります。
日付 | QQQ | SPY |
2020/2/3 | 100 | 100 |
2020/4/8 | 90.38467151 | 85.0430016 |
2020年4月8日の株価はQQQが90に対してSPYは85となっています。
ITバブルや、リーマンショックと比べるとまだ株価は高そうです。
2020年3月23日に安値を付けていますが、2020年2月の初めと比べて70%にしかなっていません。
3回の暴落と呼んでも良い局面を比較してみました。
ITバブルの際はIT銘柄のPERが100倍を超えるなど元が高すぎる事が原因では?と思われますがQQQは弱いです。
その他の局面では、QQQとSPYにそれほどのパフォーマンスの差はなさそうです。
この3つから、株価が理論価格から乖離しすぎている場合はその後のパフォーマンスが悪くなる可能性がある。
通常の暴落局面ではQQQとSPYにそれほどの差はないのではないか?と思われます。
株価の推移(2005年以降)
続いて、ITバブルがだいぶ落ち着いてきた以降の株価の推移についてです。
期間は2005年1月3日から2020年4月8日までです。
Date | QQQ | SPY |
2005/1/3 | 100 | 100 |
2020/4/8 | 575.5963651 | 309.5208795 |
これをみると、2020年4月8日の株価はQQQが575に対してSPYは309となっています。
SPYは1999年3月10日を開始日とした場合とほぼ変わっていませんね(4ポイント低いです)。
それに対して、QQQは1999年3月10日を開始日とした場合449となっていたものが、28%パフォーマンスが改善して575となっています。
QQQに一括投資した場合の利益はSPYの266%になっています。
積立投資
続いて、QQQが上場した1999年3月10日に積立投資を開始した場合の利益率の推移についてです。
グラフは、QQQを積立投資した場合の損益率とSPYを積立投資した場合の損益率を示しています。
日付 | 評価損益(QQQ) | 評価損益(SPY) |
2020/4/8 | 309.88% | 147.51% |
結果ですが、この場合QQQに積立投資していた場合、SPYに投資していた場合の210%の損益率になっていたという結果になりました。
積立投資をしていた場合は、ITバブル崩壊前から行っていた場合も、稼げる金額で言えばQQQはSPYの200%以上ということになります。
資産で言うと、QQQに積立投資していた場合、SPYに積立投資していた場合より65%多い資産になっていたと言う計算になります。
積立投資(2005年以降)
続いて、ITバブルがだいぶ落ち着いてきた以降2005年1月3日に積立投資を開始した場合の利益率の推移についてです。
日付 | 評価損益(QQQ) | 評価損益(SPY) |
2020/4/8 | 245.92% | 112.27% |
結果ですが、この場合QQQに積立投資していた場合、SPYに投資していた場合の219%の損益率になっていたという結果になりました。
資産で言うと、QQQに積立投資していた場合、SPYに積立投資していた場合より62%多い資産になっていたと言う計算になります。
最後に、「まとめ」です。
【米国株ETF】QQQなら、S&P500の200%以上は稼げる!?
- インデックス投資ならS&P500よりNASDAQ100の方がオススメ
ただ、一括投資を行う場合は、経済と株価の乖離が大きい銘柄の割合が多いとパフォーマンスが悪化する可能性が有るため注意が必要です。
逆に、〇〇ショックなどと言われる暴落の場合セクター関係なく下落するため分散数がパフォーマンスの違いには現れにくいのかと。
また、積立投資を行う場合タイミング関係なくQQQに投資していたほうがパフォーマンスは良さそうです。